塗料の選び方

古材や無垢材の家具を扱うGALLUPでは、木目や素材感を活かす塗装に焦点を当てて塗料をセレクトしています。
自然な風合いを引き出すオイルやワックスを中心に、空間表現の幅を広げる個性的なペンキや特殊塗料も取り扱っています。

これらの塗料はすべてGALLUPが独自に輸入しており、国内では他では手に入りにくいものばかりです。現在ではホームセンターなどでも見かけるBRIWAXも、日本での取り扱いはGALLUPから始まりました。


本ページでは、一般的な塗料の種類を大まかに整理しながら、GALLUPで扱う塗料がどのように分類されるのかをご紹介します。
分類の視点は、「塗装工程の中でどのような役割を担うか」「水性か油性か」の2点。塗料と刷毛があれば始められる、基本的な塗装をイメージしながら概要をまとめています。それぞれの基本的な特徴を理解することで、時折登場する例外的な塗料についても、よりスムーズに理解していただけるはずです。

各塗装工程の役割

塗料は、塗装工程のどの役割を担うかによって種類が分かれます。 ここでは大きく下地剤・中塗り剤・上塗り剤の3タイプに分けて、工程の流れに沿ってご紹介します。 DIYでの塗装であれば、多くの場合は上塗り剤のみの1工程、もしくは中塗り剤+上塗り剤の2工程で十分な仕上がりが得られます。下地剤は、より丁寧で安定した仕上がりや、美しい表情を追求したい場合に用いられる工程です。 どこまで工程を重ねるかによって、仕上がりの質感や手間は大きく変わります。 目的や好みに合わせて、自分に合った塗装パターンを見つけるための参考にしてください。 ちなみに、GALLUPで木材仕上げとして多い組み合わせは、「ペンキのみ」「ペンキ+クリア」「ステイン+ワックス」「ワックスのみ」「オイルフィニッシュのみ」といったシンプルな工程です。

下地材
シーラー 上に塗る塗料の吸い込みを抑え、密着性を高めるために使用します。表面に厚い塗膜をつくるというより、素地に浸透して微細な隙間を埋めるタイプの下地剤です。塗料のムラを防ぎ、仕上がりを安定させる役割があります。
サンディングシーラー 乾燥後に研磨をすることで、塗膜を平滑に整え、上塗り剤の仕上がりをより美しくする下地剤です。一般的なシーラーより塗膜が厚く、表面精度を重視した仕上げに適しています。
アク止めシーラー 木材から染み出す「アク」(ヤニ、シミ、木材の成分など)が、上塗り後ににじみ出るのを防ぐための下地剤です。特に針葉樹や色の薄い塗装を行う場合に効果を発揮し、仕上がりの変色や汚れを抑えます。
中塗り剤
水性ペンキ 水で希釈でき、刷毛も水洗いできるため扱いやすい塗料です。同じ種類の水性同士であれば混ぜることができ、調色もしやすい点が特長。DIYでも取り入れやすく、色表現の自由度が高い塗料です。
油性ペンキ 塗装のプロが多く使用する塗料です。比較的価格は抑えられていますが、乾燥には時間がかかります。一方で、塗膜の強度が出るまでの時間は水性塗料より早く、耐久性に優れます。希釈や刷毛の洗浄には専用のシンナーが必要で、取り扱いや処分方法は自治体の指示に従う必要があります。
水性ステイン 木部専用の水性着色剤です。着色を目的とした塗料で、保護機能は持たないため、仕上げとして必ずニスやワックスなどの上塗り剤を重ねます。浸透性が高く塗りムラが出やすいため、塗る順序や木目・繊維方向を意識することが重要です。水で薄めて濃さを調整したり、同一商品同士で調色することもできます。
油性ステイン 木部に使用する油性の着色剤です。基本的には水性ステインと同様、単体では保護機能を持たないため、上塗り剤を重ねるのが一般的です。ただし、中にはオイルフィニッシュのように、着色と保護を兼ね備えた商品もあります。水性ステインに比べて伸びが良く、塗りムラが出にくい一方、乾燥時間はやや長くなります。
上塗り剤
クリア (またはクリヤー) アクリル、ウレタン、ラッカー系など無色透明の塗料で、トップコートとも呼ばれます。耐久性の向上、ツヤ出し、素材の保護といった役割を担います。使用する環境や部位に応じて、耐水性や耐摩耗性などの性能を持つものを選びます。基本的には、中塗りが水性の場合は水性クリア、油性の場合は油性クリアを使用します。
ワックス(蜜蝋) 木製品の着色、保護、ツヤ出しを目的として使用される仕上げ材です。家具の仕上げや、アンティーク製品のメンテナンスによく用いられます。一方で、水や熱、摩擦に弱いため、屋外やキッチン周り、人が頻繁に触れる家具には不向きです。使用環境によっては、色落ちや色移りが起こる場合があります。
ワックス(樹脂) 一般的に床用ワックスを指します。単体で床材をコーティングするというより、既存のクリア塗装の上にさらに保護塗膜を重ね、定期的なメンテナンスを行うことで床を長持ちさせる役割を持ちます。
オイルフィニッシュ 亜麻仁油や桐油などの乾性油を、木材の繊維に浸透させて仕上げる塗料です。表面に厚い塗膜をつくらないため、割れや剥がれが起こりにくく、補修が容易なのが特長です。オイルステインが着色のみを目的とするのに対し、オイルフィニッシュは保護機能に加え、着色を兼ね備えた商品もあります。自然で木の質感を活かした仕上がりになります。

水性と油性

塗料は、「乾燥後に塗膜として残る成分」と、蒸発・揮発によって「乾燥とともに消えてなくなる成分」を混ぜ合わせてつくられています。この「消えてなくなる成分」は、塗布から乾燥が始まるまでの間、塗料を液体の状態に保つ役割を担っています。 基本的に、この成分に水を使用しているものが水性塗料、有機溶剤を使用しているものが油性塗料です。 また塗料は、塗りやすさや色の濃さを調整するために、薄めて使用することがあります。これを希釈と呼びます。よく耳にする「シンナー(thinner)」という言葉は、英語では「薄めるもの」という意味です。 日本では一般的に、油性塗料を薄める有機溶剤を「シンナー」と呼びますが、水性塗料にとっては水そのものがシンナーにあたります。

水性塗料(水系塗料)

水性塗料(水系塗料)とは、希釈に水を用いる塗料の総称です。塗装後の刷毛やローラーなどの道具も、水で洗浄することができます。乾燥すると、塗料中の樹脂が硬化し、水に溶けない塗膜を形成します。そのため、水彩絵の具のように「乾燥後でも水が付くと溶け出すのでは?」と心配されることがありますが、その心配はありません。油性塗料と比べて、塗装時の臭いが少ない点も、水性塗料の大きな特長です。

水性塗料は、「乾燥後に残る成分(樹脂)」の種類によって、さらに分類されます。一般的には アクリル < ウレタン < シリコン < フッ素 の順に耐久性が高くなり、それに伴って価格も高くなります。

水性アクリルタイプ (AEP=アクリルエマルジョンペイント) 基本成分にアクリル系樹脂を用いた塗料です。店舗内装や戸建住宅の内外装で長く使われてきた定番のタイプで、価格が手頃な点が特長です。一方で、耐用年数は比較的短めです。
水性ウレタンタイプ 基本成分にウレタン系樹脂を用いた塗料です。密着性に優れ、耐候性も備えています。近年では、環境への配慮や塗膜性能の向上により、油性ウレタンが使われていた場面でも、水性ウレタンが採用されるケースが増えています。
水性シリコンタイプ、 水性フッ素タイプ 基本成分にシリコン系、またはフッ素系樹脂を用いた塗料です。非常に高い耐久性と耐候性を持つため、主に外部用として使用されます。
油性塗料(溶剤系塗料)

油性塗料(溶剤系塗料)とは、希釈にタイプに応じたシンナー(うすめ液、溶剤)を用いる塗料の総称です。塗装後に使用した刷毛やローラーなどの道具も、それぞれの塗料に適したシンナーで洗浄します。 水性塗料と比べると、塗膜の密着性や耐久性に優れている点が特長です。一方で、塗装時には揮発成分による強い臭い(油性マジックに近い刺激臭)が発生するため、作業時は十分な換気が必要です。

油性塗料も、水性塗料と同様に「乾燥後に残る成分(樹脂)」と、それに対応する溶剤の違いによって分類されます。一般的にはアクリル < ラッカー < ウレタンの順に耐久性が高くなり、それに伴って価格も高くなります。

溶剤系アクリルタイプ (OP=オイルペイント) 基本成分にアクリル系樹脂を用いた塗料です。戸建住宅の外壁などで長く使われてきた定番タイプで、比較的手に入りやすい塗料です。 一液性のものが多く、乾燥が遅い点が特徴です。希釈や道具の洗浄には、塗料用シンナー(ペイント薄め液)を使用します。
溶剤系ラッカータイプ 基本成分にニトロセルロース系、またはアクリル系樹脂を用いた塗料です。乾燥時間が非常に短い反面、塗膜は薄く、臭いが強いという特性があります。希釈および道具の洗浄には、ラッカーシンナーを使用します。
溶剤系ウレタンタイプ 基本成分にウレタン系樹脂を用いた塗料です。密着性と耐候性に優れ、非常に強い塗膜を形成します。車やバイクの塗装などに使われることも多く、ガソリンがかかっても溶けにくい耐薬品性を持ちます。一液性と二液性があり、希釈や道具の洗浄にはウレタンシンナーを使用します。

GALLUPの塗料が、数ある塗料の中でどのような位置づけにあるのか、イメージしていただけたでしょうか。
各商品の詳しい特長や使い方については、オンラインショップの各商品ページにてご紹介しています。

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